テューダー朝の家系図 — 薔薇戦争終結からエリザベス 1 世断絶まで、118 年 5 代の英国王朝
テューダー朝は、1485 年ボズワースの戦いでヘンリー 7 世がリチャード 3 世を破り、30 年に及ぶ薔薇戦争を終結させて開いたイングランドの王朝である(1485-1603、118 年・5 代)。ヘンリー 8 世の 6 度の結婚と英国国教会創設、メアリー 1 世のカトリック復活、そしてエリザベス 1 世の無敵艦隊撃破とエリザベス朝文化の開花を経て、1603 年エリザベス 1 世の崩御で断絶し、ステュアート朝へと王位は移った。
概要
- 起源: ウェールズ系のテューダー家(ランカスター家系列)
- 時代: 1485 年ボズワースの戦い〜1603 年エリザベス 1 世死去
- 拠点: ハンプトン・コート宮殿、グリニッジ宮殿、ホワイトホール宮殿
- 家紋: テューダーローズ(赤バラと白バラの統合)
- 特徴: 宗教改革(英国国教会創設)、絶対王政の確立、海洋進出、エリザベス朝文化
代表人物
1. ヘンリー 7 世(1457-1509)— テューダー朝初代、薔薇戦争終結
ウェールズ生まれのヘンリー・テューダー(リッチモンド伯)として若年期はブルターニュで亡命生活。1485 年 8 月ボズワースの戦いでヨーク家のリチャード 3 世を破り即位、薔薇戦争を終結させた。1486 年ヨーク家のエリザベスと結婚して両家を統合し、テューダーローズを王朝の象徴とした。長女マーガレットをスコットランド王ジェームズ 4 世に嫁がせ、後のステュアート朝の母系を作った。
2. ヘンリー 8 世(1491-1547)— 6 人の妻と英国国教会創設
テューダー朝 2 代国王。6 人の妻で世界史上最も知られる王の一人。最初の妻キャサリン・オブ・アラゴン(ハプスブルク家カール 5 世の叔母)との離婚をローマ教皇が認めなかったため、1534 年首長令で英国国教会を創設しローマと決別、宗教改革をイングランドにもたらした。第 2 妃アン・ブーリン(1536 処刑)と第 5 妃キャサリン・ハワード(1542 処刑)を斬首、トマス・モアら腹心も処刑する専制君主だった。
3. メアリー 1 世(1516-1558)— ブラッディ・メアリーとカトリック復活
テューダー朝 4 代女王。ヘンリー 8 世とキャサリン・オブ・アラゴンの娘で、熱心なカトリック。1553 年にジェーン・グレイを排して即位し、カトリック復活を国是とした。1554 年にハプスブルク家スペイン皇太子(後のフェリペ 2 世)と結婚(英西連合)。在位中約 280 人のプロテスタントを異端として火刑に処したことから、後世**『ブラッディ・メアリー』**と呼ばれた。子に恵まれず 1558 年に没した。
4. エリザベス 1 世(1533-1603)— 処女王、エリザベス朝の輝き
テューダー朝最後の女王。ヘンリー 8 世とアン・ブーリンの娘。25 歳で即位し45 年の治世で英国国教会を確立、1588 年スペイン無敵艦隊撃破でイングランドを欧州の海洋強国へ押し上げた。シェイクスピアらエリザベス朝文学を庇護し、大英帝国の礎を築いた。生涯独身を貫き**『処女王』**と呼ばれ、1603 年スコットランド王ジェームズ 6 世(ジェームズ 1 世)を後継指名してテューダー朝は断絶した。
5. ジェーン・グレイ(1537-1554)— 9 日女王の悲劇
ヘンリー 7 世の曾孫。義父ノーサンバランド公の野心により、エドワード 6 世の遺言で 1553 年 7 月に即位したが、カトリックのメアリー 1 世支持派の蜂起で 9 日後に廃位。1554 年 2 月、16 歳で斬首刑となった。ポール・ドラローシュの絵画『ジェーン・グレイの処刑』で世界的に知られる。
歴史的背景
創始期(1485-1509)— 薔薇戦争終結
ランカスター家とヨーク家の 30 年戦争に終止符を打ったヘンリー 7 世は、両家を結婚で統合し王権を強化。スペイン・スコットランド・フランスとの婚姻外交でテューダー王朝の国際的地位を確立した。
宗教改革期(1509-1547)— ヘンリー 8 世の決断
ヘンリー 8 世は男児継承者を望んでキャサリン離婚を求めたが、ローマ教皇の不承認に対して 1534 年首長令で英国国教会を創設。修道院解散(1536-41)で王室財政を強化したが、信仰問題は娘世代に持ち越された。
短命の継承期(1547-1558)— エドワード 6 世とメアリー 1 世
プロテスタントのエドワード 6 世(在位 6 年・15 歳没)→ 9 日女王ジェーン・グレイ → カトリックのメアリー 1 世(在位 5 年)と、信仰の振り子が激しく振れ国民を疲弊させた。
黄金期(1558-1603)— エリザベス朝
エリザベス 1 世はプロテスタント穏健路線(1559 年統一令)でイングランドを安定させ、海洋進出と文化開花の黄金時代を築いた。1603 年崩御でテューダー朝は断絶し、王位はステュアート家のジェームズ 1 世へ継承された。
家紋
テューダーローズは、ランカスター家の赤バラとヨーク家の白バラを統合した二重の薔薇紋。1485-86 年に薔薇戦争の和解を象徴する図案として制定された。現在も英国国章・通貨・パスポートなどに継承されている。
関連する家系図
- イギリス王室(チューダー朝〜ウィンザー朝) — テューダー朝後のステュアート朝〜現在の系譜
- ハプスブルク家 — キャサリン・オブ・アラゴン、メアリー 1 世とフェリペ 2 世の婚姻
出典・参考文献
ランク A
- Wikidata「ヘンリー 7 世」(Q83036)「ヘンリー 8 世」(Q38370)「エリザベス 1 世」(Q7207)「メアリー 1 世」(Q150726)「アン・ブーリン」(Q121881)「ジェーン・グレイ」(Q131152)「メアリー・スチュアート」(Q160538)
ランク B
- 森護『イギリス王室物語』講談社学術文庫、2000
ランク C
- Wikipedia 日本語版・英語版「テューダー朝」「House of Tudor」「ヘンリー 8 世」
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最終更新: 2026-05-01 執筆: 家系図ずかん編集部